肺高血圧症ってどんな病気?…朝日新聞より

2010年10月24日に朝日新聞に前面の大きな広告が掲載されました。
レバチオを発売しているファイザー株式会社提供で慶應義塾大学の福田恵一先生と杏林大学の佐藤徹先生の対談の形式でをわかりやすく解説している広告です。薬の宣伝ではないのです。この掲載をどのように捉えたらよいのか?とっても難問でした。
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患者数では多くないものの、非常に治りにくく、治療せずに放置していると高い確率で命にかかわる肺高血圧症、専門の医療機関以外では診断を下すことも難しいこの病気の特徴や治療法について、慶應義塾大学医学部の福田恵一教授と杏林大学医学部の佐藤徹教授に聞いた。
○生活習慣の見直しでは改善しない「循環器病」
・まず肺の血圧とは何か、肺高血圧症とはどんな病気なのか教えて下さい。
・この病気になりやすい人はいますか
○自覚症状では判断しにくく治療開始が遅れることも
・なぜ肺高血圧が高くなるのですか
・ではなぜ血管に変化が起こるのですか
・自覚症状はありますか
○新しい治療薬の登場で治療成績が劇的に向上
・非常に治りにくい病気だそうですが
・現在はその状況も変わってきているのですか
○患者が情報をもち疑問があれば専門医へ
・患者さんや、これから受診を考えている人にアドバイスをお願いします。
の見出しで構成されています。
●病態の進行と肺高血圧症の症状
→ 肺動脈圧が高い状態〔初期症状〕
労作時の息切れ 疲労や倦怠感 立ちくらみやめまい 運動時の失神 動悸
→ 右心機能の低下〔病態が進行した時の症状〕
顔面や下肢のむくみ 血痰 嗄声「しわがれ声」 胸痛
→ 右心不全〔右心不全の症状〕
チアノーゼ 腹水 強いむくみ 血圧低下
●実例・肺高血圧症 こんな人は要注意
症例1 20代女性の場合
大学のテニスサークルに所属していたが、半年前から運動中に息切れが強くなり、失神して病院に運ばれたこともあったために今は休部している。最近は食欲もなくすぐにおなかがいっぱいになってしむが、足のむくみがとれず体重はむしろ増えている。息切れも強くなる一方で、教室移動中に友達とおしゃべりしながら歩くだけでもつらく、通学中も他の人にどんどん追い抜かれることが多くなった。
また、血圧について 福田先生は次のように記載されています。
●左心から全身に送られる際の血圧を「体血圧」といい、みなさんが家庭で測ったり、検診で「血圧が高いですよ」といわれたりするのはこの体血圧です。一方、右心から肺に送られる際の血圧を「肺血圧」といい、この二つはまったく違います。
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このところ、どのように進めていったら良いのか迷うばかりです。
私のできること、それは広報であり啓蒙なのかも?と思い始めています。そういう考えにたどり着いた時にこの広告を思い出しました。肺動脈性高血圧症が広く知られたら、早期発見 早期治療につながります。この10年で薬品の開発などで生存率はかなり高くなってきているようです。
この広告の中でも「肺高血圧症は特殊な疾患で循環器科の医師でもあまり詳しくない人もいますから、」とあります。この疾患が広く正確に認知されたなら、私の母のように「何かわからないから肺高血圧症」と一括りにされたり、私が勉強させていただいているのお母様のように見過ごされてしまって、診断・治療が遅れてしまうことも防げるかもしれません。
急にひらめいたようにこの広告を思い出しました。
そして掲載して下さった意図が理解できたようです。
有り難うございました。御礼申し上げます。

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