「体と塩を考えるシンポジウム~高血圧予防のヒントは塩分だった!」
(朝日新聞社主催)が2日、東京・築地の浜離宮朝日小ホールで開かれた。
医師や料理研究家らを講師に招き、高血圧の予防法やおいしい減塩メニューの
コツなどを話し合った。
【トークショー】 家庭の味、まず確認を (料理研究家 浜内千波さん)
食べ物が豊かになり、塩を取り過ぎて高血圧になる人が増えています。ただ、
「高血圧」との印鑑を押されて初めて、減塩料理を考える人が多いと思います。
その人その人の家庭の味付けがありますが、我が家は塩分が多いのか、少ない
のか、一度、自分の家の味を確認してみてください。
目安は、少し濃いめになりますが、塩分が1%と考えてください。
まず、計量スプーンなどで、1%の塩分で作ってみてください。
「薄いな」という人は「我が家はちょっと濃い味だな」と。
例えば、肉じゃがを作る時も、1%の塩分を目安にしましょう。
肉の重さはパックに表示されています。タマネギ、ジャガイモ、ニンジンなど重さも
量って、材料が全部で1千グラムなら10グラムの塩で1%になります。
塩は小さじ1杯が6グラムなので1杯半が9グラム。
しょうゆは6倍で塩と同じ塩分に。塩10グラムなら、しょうゆは60グラム。
砂糖を使うとしょうゆも入れたくなるので砂糖の量も減らすように。
ただ、塩分を急に半分まで減らすと「減塩=まずい」となりがちです。
「薄味の食事っていいね」と、家族で話しながら食べるのが大事なように感じ
ます。塩を体外に排出する食材、カリウムを多く含む食材も食べましょう。
イモ類にも多いので、これからの季節、おすすめです。ホウレンソウなどの
野菜や果物、ナッツ類も豊富です。グラムあたりで多いのはパセリで、
我が家では毎朝ジュースに入れるよう心掛けています。
1日6グラムの食塩を3食で分けると2グラムずつ。これでは大変なので、
私は2で割って、朝食は塩分ゼロの野菜ジュースにしています。
甘みが足りなければバナナやリンゴなどの果物を加え、豆乳か低脂肪の牛乳を
入れて、1人当たり3カップ(600cc)ほどを飲んでいます。
野菜や果物は、ミキサーにかけやすい大きさにカットして冷凍しておくと
便利です。
(2011年10月16日 朝日新聞)