「おやじぃ」の日々つぶやき

12月9日(日)午後6時から「カクテル バースプーン」にて第11回目のシングルモルトの会を行いました。参加者は何時もより多めで12人でした。
※種村園枝オーナーマスターの名刺です。


今回は「秩父蒸留所/イチローズモルトを飲み比べる」がテーマでした。今までジャパニーズウイスキーの飲み比べをここで1回やっています。今回のようにメジャーではない小さな蒸留所のモルトを、一度に6種類飲み比べるのは、珍しいことでした。
※その銘柄のグラスを乗せるシートです。


※No.1からNo.6までのそれぞれのボトルです。


今回はおツマミというより、かなり手の込んだお料理に近いものを、参加者でシェフのK.D.さんが作ってくれました。「和」のウイスキーに合うように素材を吟味されたそうです。上に二つ目のはサーモンの春巻でしたが、ボリュームがありました。


飲み比べは、いつものように1時間ほどかけて行いました。


終わってからの感想では、みなさんそれぞれ好評価をされていました。イチローズモルトを味わうのは初めてとか、これだけの種類は初めてという方、いろいろな感想がだされました。No.1のモルトの香りの立ち上がりが良かったという方もかなりいました。
会の終わり頃、スプーンのバーテンダーのH.T.君の携帯(フェイスブック友達)に、秩父蒸留所の創業者・社長の肥土伊知郎(あくと・いちろう)氏からお礼のメッセージが届いていて、読み上げてもらいました。これには、私もちょっと驚きました。H.T.君がこの会を開くことを、肥土氏に伝えていたそうです。
今回の参加者は男性11人・女性1人です。その内訳です。バー・飲食店オーナー5人(男性4・女性1)、会社員2人(男性2)、飲食店従業員2人(男性2)、公務員1人(男性1)、医師1人(男性1)、無職1人(男性1人)
「秩父蒸留所を訪ねて」
今回イチローズモルトの飲み比べをしたので、参考までに3年半ほど前の夏に、蒸留所を見学したときの写真を何枚か掲載します。


蒸留所の敷地内です。手前にあるこじんまりした三角屋根の建物がオフィスで、その後が製造棟です。向かって右側が貯蔵庫です。


製造棟の中です。この方が肥土伊知郎社長です。後の上方の赤い箱が大麦麦芽の粉砕機(モルトミル)です。おおまかに言えば、ウイスキー製造はここがスタートになります。


粉砕機を通した麦芽(グリスト)で、このように粒の大きさで3段階に分けられます。通常は奥の「ハスク」真ん中が「グリッツ」手前は「フラワー」で、重量比を【20%/70%/10%】にすることが理想とされているそうです。


これは、ウイスキー製造ラインで導入したのが、世界初の試みといわれるミズナラ製の発酵槽(上の粉砕した麦芽に温水と酵母(イースト菌)を入れて発酵させるもの。)です。5基ありますが、製造は「日本木槽木管株式会社(横浜)」でした。


これは、階段を上がった中2階からみたフロアのほぼ全体です。これには写っていませんが、この中2階にも製造ラインのタンクがあります。(説明を略します。)


これが蒸留所でメインとなるポットスチル(単式蒸留器)です。スコットランドのフォーサイス社製です。


私が見学したこの日は、製造が終わって次の製造に向かうべく、若い社員の方がラインの洗浄などをやっていました。それで、ポットスチルの中も見ることができました。この灰色のパイプが蒸留器をスチームで加熱する装置です。


おおまかにいうと、蒸留器から取り出したスピリッツは木樽に入れて貯蔵します。スコッチウイスキーは貯蔵年数3年以上とされています。これは、貯蔵庫(熟成庫・ウエアハウス)の入り口です。


貯蔵庫の中です。樽の積み上げ方にもいくつかありますが、ここは樽を木のレールに横置きにして3段程度にする「ダンネージ」という伝統的なやり方でした。




これはウイスキー蒸留所に(使っているかどうかは別ですが。)必ず見られる「キルン塔」です。麦芽の燻煙を行うところです。この時は、製造工程で、まだ使っていなかったと思います。それで、中には入りませんでした。


肥土社長のご案内で見学を終えてから、オフィスでお話しを伺いました。テーブルの上には、このように色んな種類のボトルが無造作にならんでいました。


お尋ねしたことの一つです。この時期にはマリナーズのイチロー選手が次々と大記録を打ち立てていたときです。「イチローズモルト」を商標として申請したときに、どんな対応だったか?と。お答えとしては、登録承認まで1年余り要したそうです。説明はされなかったが、「あやかり」にならないか慎重に審査されてようだとのことでした。
もう一つ。秩父蒸留所の創立後は、「カードシリーズ」というトランプのカードをラベルに使ったボトルを販売していました。そうすると、海外の方からトランプの総てのカードをラベルにして販売しないのか、総てを集めたいという問い合わせがあったそうです。
あとは、樽材のミズナラを買い付けるために、旭川で定期的に開かれる木材市場に出かけている、と話されていました。スプーンのH.T.君のメールでも来年旭川に行く予定とのことでした。



Leave a Reply