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漢方では、肥満には「固太りタイプ」と「水太りタイプ」があるとされ、漢方の概念である「虚・実」や「気・血・水(き・けつ・すい)」の状態から、どちらか診断していきます。固太りタイプは、主に食事のとりすぎによって起こり、水太りタイプは主に消化吸収されたものや体に取り込んだ水分がうまく代謝されないために起こると考えられています。
肥満のタイプと特徴
固太りタイプ 筋肉質でがっちりした感じ。便秘やのぼせがある
水太りタイプ 色白で、むくみや多汗がみられる。胃腸が弱い
漢方薬もそれぞれのタイプにあったものを用います。固太りタイプにもっともよく使われるのが防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)です。防風通聖散は脂肪組織を減少させることが研究から明らかになっており、今、注目されている漢方薬の一つといえます。このほか大柴胡湯(だいさいことう)を使うことがあります。ただし、いずれも下剤成分が含まれる大黄(だいおう)という生薬が入っているため、おなかをくだしやすい人には不向きです。
一方、水太りタイプには利水剤(利尿作用がある漢方薬)の防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)が第一選択となります。そのほか五苓散(ごれいさん)を使うこともあります。
さらにストレスで過食し、太ってしまったような場合は、気の異常があると捉え、気を整える漢方薬が利用されます。代表的なものに大柴胡湯や柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、大承気湯(だいじょうきとう)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)などがあります。
肥満で用いる主な漢方薬
防風通聖散・防已黄耆湯・大柴胡湯・五苓散・柴胡加竜骨牡蛎湯・大承気湯・桃核承気湯など
もちろん漢方薬だけでは肥満は解消できません。食事内容の見直し、食事のとり方の修正、運動などと組み合わせていくことが大切です。また肥満の解消は少しずつ行うもの。漢方薬を飲んでも急激に体重が減るわけではありません。あせらず、気長に取り組んでいきましょう。
漢方の診察では、独特の「四診」と呼ばれる方法がとられます。月経の状態、日常生活のことなど、肥満とはあまり関係ないように思われることを問診で尋ねたり、おなかや舌、脈を診たりすることがありますが、いずれも薬を決めるための手がかりになりますので、重要です。

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