亢進症な生活

9月末にアメリカ甲状腺学会があって、あわせて甲状腺ホルモン不応症のワークショップが行われたようです。
日本からも参加される先生がいらっしゃると聞いて、治療法の今を聞きたいとお願いしていたのでした。
甲状腺ホルモン不応症の患者さんの多くは、甲状腺ホルモンに関連する遺伝子に変異がみつかってきました。こうした患者さんに対しては、遺伝子変異がある部分に応じたお薬を用意するという治療法が少しずつ進められるようになっているようです!
ガンの標的治療を聞いたときに、「遺伝子の情報を確認して、それにあった薬を使うといいなら、やがては甲状腺ホルモン不応症でも!?」と夢見たことが実現されようとしているようです!効果も期待できそうという話もありました。
こうやって、稀少な病気の研究・治療が前進していくのは、ほんとうにうれしいです!
ちなみに、わたし自身は、甲状腺ホルモンの領域には変異がありませんでした。そういう人には、標的治療薬を使ってみても効果は期待できないそうです。
標的がないんだからそりゃ、そうだ…。残念!
じゃあ、どんな治療をするのがいいのか、レフェトフ先生を始め、甲状腺ホルモン不応症の研究の第一人者に質問くださったそうですが、やはり、対症療法になるそうです。
心臓のドキドキや手の振るえなどはβブロッカー(テノーミン)を使うのが標準で、喘息など呼吸器に心配がある場合は、ドキドキに対する血管拡張薬(ワソラン)を使うことになるのだとか。
αブロッカーの研究なんて話も頓挫したままで、市場規模から考えても、製品化することはなさそうというお話だったそうです。
そうですよね~。
出発前から、「やっぱりワソランって言われそうですね」と言い合っていたので、やっぱり!という感じです(笑)
そんなわけで、「遺伝子の変異が見つからないのは20%くらいなのでしょ?もともと患者数が少ない病気の20%だから研究されなさそう…」と嘆いていたら、「いやいや、そうでもない」とか。
初期の調査は家族性を疑って患者さんの家族を検査することが多かったから、遺伝子変異の比率が高かったわけで、甲状腺ホルモン不応症の患者さんの全体を見ると、遺伝子変異の場合と変異がない場合といろいろあるようです。
じゃあ、わたしの症状も原因が解明されて、治療できるようになるかも!!!
もちろん考えられる原因は、まだまだ膨大な可能性があって、なかなか同定が難しいそうです。ニセモノの甲状腺ホルモンが作られていたり、運び屋のタンパク質がうまくできてなかったり、受容体が調子が悪かったり、受容に反応するスイッチの問題だったり。
膨大すぎて先は遠そうです。
で、今、甲状腺ホルモン不応症で困ってる?と聞かれたら、困ってはいるけど、厄介な体質みたいにつきあっていけるかも?と思ったり、考え込んでしまいました。。
これまでには、不妊とか不育とかいう可能性で、ちょっと気分的にしんどかった時期があったり、ひどい手の振るえで仕事も生活も「できません」と言わないといけないことが増えたり、カテコラミンの感受性が高くて、上がり症みたいなことになったり、というのは困らなかったわけではないんですけどね。
ゆっくりつきあっているうちに、何かの糸口が見えてきたらいいなと思います♪
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